月の小部屋

俳句のことなど。

雪華 2021年2月号

好きな句の覚書

 

雪月花より

 

冬の流星運針のやうに果つ/橋本喜夫

主宰から運針なる言葉が出るとは…そういうの疎いと思ってたのに…大変失礼しました。規則的に点滅するように果てるような気がしないのは、私が針仕事が苦手だからだろう。

 

万感は胸に置くべし雪怒涛/大西岩夫

他所へ置いてはいけない。胸に置いておこう。雪怒涛がせつない。

 

薄墨を零して円き雪夜かな/五十嵐秀彦

雪夜の薄墨色が好きだ。夜の色ながら暖かな色。

 

凍つる日や鋏が空に鳴るごとく/鈴木牛後

あの痛いほど凍てた感じは絶対にキンキンした音が鳴ってると思う。

 

身に入むや母の看取りのうつらうつら/田口くらら

くららさん、無理なさいませんように。

 

四肢無きは前世の罰や雪達磨/三品吏紀

でもきっと、可愛らしく作られている。雪達磨って刹那的ですね。

 

これぞ粋中原道夫柄の足袋/林冬美

どんな柄?気になる。こういう句が載るのが雪華らしい。。。

 

看病の楽しきときや木の葉髪/畑ひろし

泣きそう。もう看病さえも出来ぬ妻。ご冥福をお祈り申し上げます。

 

湯豆腐や冷めて話が収まりぬ/廣田和久

冷めた湯豆腐は冷や奴にもなれぬ。

 

 

大先輩の句をこんな風に書いて怒られないかな?とちらと思うのですが、多分怒られない。

好きな句が多すぎてまったく終わらないのですが、今日はこの辺で。